ピアノ教室 プレジール

ウィーン、コーラス旅①

2020/02/22

昨年11月、ウィーンへ行ってきました。旅の目的はモーツァルトの「レクイエム」を演奏すること。今回私はコーラス(ソプラノ)で参加しました。実は合唱で歌う方をやるのは学生以来なのです。学生時代の恩師が日本人ソリストとして歌われ、ソプラノとテノールは日本人、アルトとバス、指揮者もオーケストラもオーストリアの方々という編成。この話をいただいた時、ウィーンのオーケストラを同じ舞台上で感じたい、一緒に音楽をやってみたいという思いから、即「行きます!」と返事をしたのでした。
それから半年程、週に一回くらいのペースで日本で練習。定期的に声を出すことは日々の詰まりをスッキリとるような心地がして、体にも心にもとても良い効果を実感しました。パートの重なりやピアノ伴奏のアレンジの美しさを感じ、先生の指導方法も勉強になり、とても楽しく毎週音楽に触れました。
が、最後の練習まできても、これで大丈夫なのか?とやや不安の残る出来上がりだったのです。
なんとなく抑揚に欠け、一本調子というか、生き生きしていない感じがこの時点ではしていました。
それが一掃されたのは、たった一度のマエストロとの練習。ここで生まれ変わったかのように音楽が見違えました!とにかく熱量がものすごく、指揮者を見てさえいれば、つられて音楽に乗ってしまう手腕。オケとコーラス合わせて100人くらいいるわけですが、それが一つにまとまり、かつ1人1人が生き生きと役割を全うしているのが感動的で、実は私、本番前のこの練習だけでもウィーンまで来た甲斐があったと思いました。
そして、本場のオーケストラはとにかく軽やかだったのが印象的。とても乾燥していて、湿度の高い日本とは音の質がまるで違うし、ものすごくよーーく響く!自由で少しの力みも感じられないのです。というか、がんばって音を出す必要がないのでしょう。オーケストラでも仰々しく感じることはなく、自然に耳や体に語りかけてくるような気持ちよさでした。
この現地の音のイメージを得られたことは旅の大きな収穫でした。音楽会に聴きに行くのもいいけれど、練習から参加してみたことで、マエストロの指示で変わっていく様子が間近で聴けるのはとても興味深かったです。

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